2008年01月07日

アブダビ利権



アブダビ、ポスト原油に動く
オイルマネーを自然エネルギー開発に戦略的投資
2008年1月7日 月曜日
(前略)
英BP(BP)の前CEOで、現在はエネルギー専門のプライベートエクイティ(未上場株)投資会社リバーストーン・ホールディングス(本社:米ニューヨーク)の共同経営者であるジョン・ブラウン卿は、12月9日マスダル幹部と会談し、提携の可能性を話し合った。リバーストーンは米投資ファンド大手カーライル・グループと密接な関係にある。カーライル株式の7.5%を保有するムバダラ・デベロップメントは、アブダビ政府が100%出資する投資会社でマスダルの親会社だ。
(後略)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071227/144119/


アブダビ訪問 幅広い支援合意

中東の産油国アラブ首長国連邦のアブダビ首長国を訪れていた甘利経済産業大臣は、6日、巨額のオイルマネーの投資拡大に必要な専門機関の設立など幅広い分野で新たに日本が支援を行うことで合意し、一連の訪問を終えました。(1月7日 6時30分)

http://www3.nhk.or.jp/knews/news/2008/01/07/t20080107000014.html


日本貿易保険、アブダビの政府系ファンドと協力協定の覚書調印

【アブダビ=加賀谷和樹】独立行政法人の日本貿易保険(NEXI)は6日、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビの政府系ファンドであるムバダラ開発公社と協力協定の覚書(MOU)に調印した。主にアジアでの資源開発などでNEXIが紹介する日本企業とムバダラが共同出資で取り組む事業を増やす狙い。

共同事業にはNEXIが貿易保険を提供。豊富な石油マネーを持つアブダビと、事業に必要なノウハウを持つ日本企業の連携を促す仕組みだ。

NEXIの今野秀洋理事長、ムバダラのハルドゥーン最高経営責任者(CEO)がアブダビで調印。式典には甘利明経済産業相らが同席した。

http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/zaimu/index.cfm?i=2008010701637b5


※ カーライルとリバーストーン・ホールディングスは、メキシコ湾油田の開発でジョージ・ソロスと組んでいる。

ジョージ・ソロス メキシコ湾油田開発に1億ドル投資
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1155923836/
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Lord John Browne(リバーストーンに掲載されているブラウンの経歴)
http://www.riverstonellc.com/team/TeamMember.aspx?id=47
リバーストーンのPierre F. Lapeyre, Jr.(Co-Founder)はゴールドマン出身
http://www.riverstonellc.com/team/TeamMember.aspx?id=2
もうひとりのDavid M. Leuschen(Co-Founder)もゴールドマン出身
http://www.riverstonellc.com/team/TeamMember.aspx?id=3

Lord Browne's Renewable Career
http://www.businessweek.com/globalbiz/content/oct2007/gb20071017_608755.htm



リバーストーンを創業したのはゴールドマン出身のバンカーで、BP出身者を数名経営陣に加えたリバーストーンはカーライルと密接な関係にある。そして、リバーストーンはジョン・ブラウンを送り込んでマスダルとの提携を探っている。

マスダルとはアブダビが進めるプロジェクト全体の名前(呼称)で、その親会社がムバダラ・デベロップメントであり、ムバダラはカーライルの大株主(7.5%)でもあるが、ムバダラのカーライルへの出資比率はカルパース(5.5%)を超えている。シティグループがアブダビ投資庁から75億ドルの出資を受け入れると発表したのは最近のことだが、コスモ石油の筆頭株主にアブダビのSWFがなると明らかになったのも最近のことだった。

アブダビ政府所有のムバダラが1月6日に調印した相手が、甘利経済産業大臣が率いる日本の訪問団。

福田総理は丸善石油(コスモ石油)出身。20日ほど前に来日していたアブダビ皇太子は、コスモ石油や丸紅との事業契約に署名したが、その署名式は官邸で行なわれている。民間事業の署名式に日本の総理大臣が同席したのであった。

石油さえ得られるなら…福田首相、官邸で民間事業署名
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=93952&servcode=A00§code=A00

アブダビが巨額の出資をするシティグループが中心となって設立を模索したSIV基金に、日本のメガバンクに協力の要請があったのも同時期で、日本の銀行がSIVへの協力を断ったことでSIV基金の構想は破綻した。このSIV構想では、アメリカからはポールソン財務省などの金融当局だけではなく、シティグループが福田総理に接触していた。

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【福田日誌】12月4日
6時11分、執務室を出て、13分から16分、閣僚応接室前で報道各社のインタビュー。17分、官邸発。27分、東京・紀尾井町の日本料理店「福田家」着。シーファー駐日米大使、ベーカー前駐日米大使、塩川正十郎元財務相。9時11分、同所発。37分、私邸着。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071205/plc0712050346002-n1.htm
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塩じぃがシティグループの外部諮問会議の会長に
http://d.hatena.ne.jp/HEAT/20070711
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福田総理は12月4日18時半ごろから21時過ぎまで、シティグループの外部諮問会議の会長(塩じい)とベーカー(同副会長)と、紀尾井町でSIVについて話し合っていたのであった。日本の銀行がSIVへの協力要請を断ったのが、紀尾井町での密談からおよそ2週間後で、それとほぼ同時にアブダビ皇太子が来日している。

日本の銀行にSIV構想への協力要請、そしてそれを日本側は拒否、日本とアブダビの最近の動向、SIVを決算に組み込む必要性に追い込まれたシティグループにアブダビが巨額の出資‥‥これらは全て同時に進行していた。そしてこれらの中心にいるのが、アブダビなのであった。

福田総理がコスモ石油(丸善石油)の出身なのは有名だが、コスモ石油に関係する人物をここでもうひとり挙げるとしたら、その人物は資源エネルギー庁長官を務めた豊島格である。豊島は、資源エネルギー庁長官からコスモ石油に天下りした石油業界の大物。

豊島格の名前ではピンとこないかもしれないが、豊島の妻は小泉隆子である。隆子は小泉純一郎の姉である。

ブッシュ政権は石油に近いことで有名だが、ブッシュのためならなんでも差し出そうかという小泉首相自身の背後にも、石油が見え隠れしていたのであった。

9月にコスモ石油がアブダビで業務提携を発表した際、現地(アブダビ)にいたのがコスモ石油会長の岡部敬一郎だった(http://www.business-i.jp/news/for-page/kouho/200711220004o.nwc)。この岡部は石油連盟の会長を務める重要人物だが、福田総理と親しいのは当然として、「小泉首相を囲む会」のメンバーだったことから、小泉純一郎にも近い人物なのであった(http://www.yorozubp.com/0406/040601.htm)。

福田赳夫の自宅で書生となり、秘書をつとめたのが小泉純一郎なのだから、小泉政権と現在の福田政権が共に石油利権と密接な“石油政権”なのは少しもおかしなことではないといえるだろう。

上記、福田総理とアブダビの皇太子が同席した官邸での調印式、実はこの調印文書には政府系の国際協力銀行がアブダビ石油公社に30億ドルの融資をする契約が含まれていた。

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> 政府系金融機関の国際協力銀行は、アラブ首長国連邦
> (UAE)のアブダビ石油公社に30億ドル(3400億円)
> 規模の資金を融資する。
> 返済には、コスモ石油など日本の石油会社が支払う原
> 油の購入代金が充てられる。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=acRSMyTl2I7U&refer=jp_japan
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アブダビがシティグループに75億ドル出資するけど、その金利はなんと年11%、国際協力銀行の貸付利率は低いから、ここで大きな利ざやを抜けることになる。そして、アブダビが日本に返済する原資は、コスモ石油などがアブダビから購入する石油代金。つまり、石油を日本に売ることで得る日本のお金が日本に返ってくる仕組みといえそう。日本には石油を渡すだけで、融資金は利息も含めて返済の心配がないというもの。しかも、アブダビがコスモ石油の筆頭株主になったわけでしょ。

穿った見方をすれば、アブダビがコスモ石油に出資する資金を国際協力銀行が提供(融資)したとも受けとれちゃう。アブダビがコスモから引き受ける第三者割当は約900億円だから、国際協力銀行が融資する3300億円(30億ドル)からこれを差し引いても2400億円も残る。この2400億円をシティグループへの出資、利率11%に回すことができる。

そもそも石油のおかげで外貨が増えつづけているアブダビが、わざわざ日本から融資を受ける必要などないはずなのに、それなのに日本から資金を調達するってことは、それはその融資金が運用に回るって意味でしょうに。日本からすると、これは石油購入代金の前払いって位置付けなのかもしれないけど…。

国際協力銀行って、もうすぐ統合されるんじゃなかったか?小泉純一郎の姉の夫である豊島格は、コスモ石油に天下る前は日本輸出入銀行にいた。この日本輸出入銀行が現在の国際協力銀行なんだけど…。

日本とアブダビが親密な関係に接近すること自体はいいことだと思うけれど、相手のほうが一枚も二枚もうわてだと見えなくもない。シティグループやカーライルの大株主だしねぇ。

国際協力銀行とコスモ石油を結ぶ豊島格。その豊島格の義理の弟にあたる小泉純一郎の周辺。小泉政権の官房長官でコスモ石油出身の福田総理。そして、コスモ石油会長で石油連盟の会長もつとめる岡部敬一郎。どうやらこれらの人物とその周辺が、“アブダビ利権”の中核なんじゃないかな。


posted by ヒート at 23:58 | TrackBack(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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